現代的意味

○先進国と開発途上国  奴隷制度の時代は、消費地(先進国)の求めに応じて生産地(開発途上国)が商品作物を適地でモノカルチャー生産し、人(奴隷)の生存よりも経済原理が優先された。奴隷を養うよりも時間労働の方が経済性が高いと分かった18世紀中頃からは、奴隷を解放(解雇)して賃金労働に切り替え、経済格差からその賃金に吸い寄せられた移民(国内移住・国際移民)を雇用し、生産が続けられている。 ○国内の農産物  ふつうは同じ都道府県内で生産された農産物に対し「地産地消」扱いとしている。 戦後、大都市の近郊農家以外は、食料管理制度(米の価格維持)と兼業(農業以外の収入)によって収入が安定していたが、食管制度の崩壊や減反政策に伴って米を収入の柱に出来なくなり、また、兼業先が土木業である者にとっては公共事業の削減によってもう1つの柱も不安定になってきているため、「地産地消」として農産物の販路を築くことができれば、営農放棄して都市に移住する傾向を緩和し、農村の過疎化をある程度くい止められるのではないかという意見がある。 ○流通 「地産地消」の浸透は、流通過程が短くなり、地域の監視の目もきつくなるため、産地詐称を困難にさせることが期待されている。 地域の農産物を手軽に手に入れる場所としては、農産物直売所がある。近年、主要道路沿いに道の駅が設置され、地域産品の総合的販売所として脚光を浴びるようになるとともに、その主要施設として農産物直売所の役割も見直されつつある。 また、遠距離輸送には大量の燃料・エネルギーを必要とする為、そのために輸送する際にかかるエネルギー・CO2排出量等のコストを計算するフードマイレージの観点から考えると、地産地消ならば、それらは不必要なエネルギー消費、排出削減が可能なCO2であると考えることができる。 遠距離輸送に関連して、ヴァーチャル・ウォーター(仮想水)の観点から考えた場合、他国から自国へ運ばれてくる農産物・木材には、それらが育つまでに多くの水(天然資源)を必要とする。それらを育てるのにかかった水の量を計算して単位にして測った場合に、多くの農産物・木材を輸出している国は、大量の水を輸出しているとも考えることが出来る。その為、そのような農産物・木材を生産して輸出している国から自国へとそれらを大量に輸入している場合には、その輸出国の水資源の枯渇化を加速させている状況を引き起こしている可能性があると想定することもできる。そのような輸出国における水の大量消費、水資源の枯渇化を地産地消ならば、防ぐことが可能であると考えられている。 遠距離輸送のコストを高め、「地産地消」を行う方が企業利益に適うような制度を構築するため、遠距離輸送を担う地方間を結ぶ高速道路は有料とし、地域内の都市を結ぶ高速道路、バイパスは無料化すべきとの意見がある。 水産物に関しては、水産業を基幹にしている地域でさえも、特定の魚種の輸入品が主に消費され、地魚が消費されないという問題がある。ただし、地魚のみで地域全体を賄うのは不可能であるため、地産地消がもっとも向いているとされる。 * スローフード・アクティヴィスト 日本のスローフード活動家は、輸入農産物であっても伝統的農産物であればスローフードの範疇に入れている。この場合の「伝統的」の意味は、「原産地」ということではない。トマトの原産地は南米であるが、イタリアの「地産地消トマト」は伝統的なのでスローフード扱いされ、場合によっては輸入して食べることにためらいを感じない。日本のスローフード活動家の「地産地消」は、「質の高い農産物に対する追求」と同義と言ってよい。食に限らず生活全般に同様な質の思想を持つ者は「LOHAS」(ロハス)に移行する。スローフードやロハスは、富裕層向けのビジネスという批判がある。しかし、食材の高額化に寛容な層の拡大や海外の伝統食材に興味を示す層の拡大に対応して、農業地域を抱える自治体では、特に洋野菜の作付けを増やして特産物化し、農家の収入安定に繋げようとしている。

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